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11.30. 2014 [ LIFE ]

「紫式部ダイアリー」

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歌舞伎を観はじめた2006年以前は、かなり舞台を観ていました。
野田MAPは夢の遊眠社の時代から観てるし、劇団新感線、大人計画、蜷川幸雄氏、
三谷幸喜氏などなど…観ていました。
まぁ、でも歌舞伎を観るのに忙しくても、野田さんだけは観てたかな。
もちろん、野田さん、三谷さん、串田さん、クドカンの歌舞伎は観てますけど。

アメリカに行って寂しいのが生の舞台が観られないこと。
もっとアメリカのお芝居を観るようにするといいんだけど…ね。

久しぶりの舞台。
次回の野田MAPは残念ながら来年の2月だか、3月なのであきらめて、今回はせっかくなので
三谷さんの「紫式部ダイアリー」を。
私は三谷さんはテレビが一番だと思うのです。TVドラマ「古畑任三郎」「王様のレストラン」
なんかは名作だと思うし。
舞台の中では、やっぱり「オケピ」や「バイマイセルフ」が好きかな。

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たまたまパルコ劇場にポスターが!

*****

「紫式部ダイアリー」
2014年11月 パルコ劇場
作・演出 三谷幸喜
出演  長澤まさみ  斉藤由貴

ご覧のとおり、2人芝居です。セリフなしのバーテンダーは出てきますが。
男性の2人芝居はありましたが、女性の2人芝居は初めてじゃないでしょうかね。
しかも、斉藤由貴は出ずっぱり。長澤まさみも2回ほど、1、2分引っ込むくらいで、やっぱり出ずっぱり。
1時間45分、ほとんど、しゃべりっぱなしです。

紫式部(長澤まさみ)と清少納言(斉藤由貴)が「現代」を舞台にバトルを繰り広げるというお話。
源氏物語を雑誌で連載中で、若くてキレイな人気絶頂の小説家・紫式部と、年齢を重ねて、大御所と
言われる存在になりつつも、ひところの勢いがなくなってきたエッセイスト・清少納言。現代で…という
ところで、かなり創造力をかき立てられるよね。

セットもミニマムで、バーカウンターのみ。
カウンターが回り舞台に載ってて、場面転換で客席に顔を見せたり、背中を見せる向きに変わる。
カウンターの位置が変わるごとに話題も変わるんだけど、1回だけカウンターを手前から奥に向けた
位置になった時が、一番の見せ場になってたかな。

斉藤由貴はさすがベテランで細かいところまで行き届いた演技だった。
長澤まさみの舞台は初めて見たのだけれど、確かにキレイだし、声もいいし、すごくがんばっていたと
思うけれど、まだまだこれから…という感じ。それが紫式部のセリフとだぶっていて、それはそれで
効果的だったかも。
現代っ子っぽい悪ぶれたセリフやヒステリックな演技も、どこか一本調子だったのが残念。
松たかこ、宮沢りえ、深津絵里が舞台に立つときのような、ふっきれた感じがまだまだだったかな。
でも、これからが楽しみかも。

まだ地方公演が残っているので、ネタバレしないでおくけれど、
さんざん言い合い、罵り合い、化かし合いを繰り返し、最後は互いに本音でわかりあえたかに見えた2人だけれど、
ラストは清少納言が紫式部の「紫式部ダイアリー」を盗み見して、一瞬、呆然とした顔をし、その後、高笑い
して幕切れ。

どんなことが書かれていたか説明はなしで、ご想像におまかせ…という風に観客にゆだねた…と思う方も多いだろうけど、
「紫式部ダイアリー」=「紫式部日記」なわけで、つまり、その「紫式部日記」で、どう清少納言のことが
書かれていたか…を知っている人は、「あ~あ~そっか~」となったんじゃないかと思います。

三谷さんらしくない終わり方な気がしたな。
最近はこういう感じなのかもしれないけれど。

小ネタが後々の伏線になってなかったり、
そもそも物書きの苦しみは、ご本人の心情の吐露なのかと思うと…笑いの小ネタも笑えなかったりして。

思わず、ぷぷぷっと笑ってしまう…小ネタが、後でもっと大きな普遍的なテーマにつながって、ドラマがふくらむ…という
いつもの三谷さんらしい本をこれからも書いてほしい!