2018-06-27

ヨーロッパ旅行ーロンドン編②レクチャー

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なんとか無事、終えたロンドンでのレクチャーのご報告です。
テーマは
“24 Seasons Calendar”: An ancient Japanese way of harmonising with seasonal changes”
http://dajf.org.uk/event/24-seasons-calendar-an-ancient-japanese-way-of-harmonising-with-seasonal-changes
私の新刊「わくわくほっこり二十四節気を楽しむ図鑑」(二見書房)をベースに、二十四節気とともに日本人がいかに季節とともに生活をしているか・・といったお話をしました。
英語で1時間弱。
5月頭に決まったこのレクチャー。
1ヶ月準備期間があるから・・なんとか、なるかなと思ったのが甘かった。二十四節気を日本語で説明するのも意外に難しいのですが、まったくこの概念のない外国の方に「そもそも・・」から説明するのは非常に難しいということに、構成を考えてる時に気づく。
つまり太陽歴、太陰暦、太陰太陽暦のところから説明が必要だし、二十四節気自体は英語の単語が存在しない。日本人なら行事の名前を聞けば、「あ〜あれね」とわかる事も、外国人には行事や習慣ひとつひとつ、なぜそれをやるようになったのか、何のためのものなのか・・説明がないとさっぱり「?」。
構成でかなり時間がかかってしまい、それを英語で説明する際、直訳する単語がないので、それをどう説明するかで悩み。これは英語がわかるだけでは英語化は難しく、その背景となる文化がわかっていないとできないので、かなり娘に協力してもらいました。
そして、ブリティッシュエングリッシュなんて無理なので、とにかく「何を言ってるかわからない」レクチャーにだけはしたくないと、英語の内容とスピーチのブラッシュアップに必死の1ヶ月でした。
まったく24 Seasons Calendarを聞いたことがないアメリカ人に、言葉だけで聞いてもらって、はたしてわかるのか?ってことで、週1回、聞いてもらいながら、「何それ?どういうこと?」と聞かれたところは説明を追加したり、聞きづらい発音を直してもらったりしながら内容を作っていく。
しかし、二十四節気って知ってる?と聞くと、たいてい「???」で、「6年分の季節のこと?」と返された時は、こりゃたいへんだ!と思いました。
もちろん、言葉だけではまったく想像できないのでパワポ80ページも用意しました。
ほぼ完成したところで、ヨーロッパ出発前、バイリンガルのしのぶちゃんに無理をお願いして、通してチェックしてもらって、彼女にレクチャー全部読んでもらって録音させてもらいました。そして、どうしても発音しにくい単語も、一つ一つ録音させてもらって、それからヨーロッパに発ってからパリにいる間中も、その録音を聞いては、音読する・・を繰り返しました。これがとっても役立ちました。
余談ですが、言いにくい単語をすべてピックアップしたら、なんと「RとL」が1単語に入っているもの、「W」から始まる単語・・とか、自分の苦手が浮かび上がり、これはこれで勉強になりました。
1回の音読に45分かかるわけですから、もうね・・口のまわりの筋トレです。
経験のある方も多いでしょうが、英語と日本語では口のまわりの使う筋肉が違うので、ずっと話しているといつもと違う筋肉を使っていることがわかってきます。
・・ということで、実はこのレクチャー、告知されたとたん、すごい勢いで申し込みが入ったそうで、私がヨーロッパに発つ前に90名近く、パリにいる間に100名を超えてしまったと連絡があり・・ありがたくも、それは胃も痛くなります(笑)
パリに着いてから、少し寒かったというのもありますが、いまいち体調が優れず、神経性胃炎でモノがあまり食べられなくなり、あぁー私、当日まで体調持つかしらー!?緊張してるんだわー。
イベントやワークショップで今までもたくさんの方の前に立つことはありますが、全然緊張しているように見えないとよく言われますが、緊張しなくていいように準備をしないとダメで、それでも緊張します。かなり。なので、ぶっつけ本番とか、アドリブとかは避けたい(笑)
しかし、24 Seasons Calendarという、まったく自分たちの文化にない概念だし、せいぜい20名くらい集まってくれたら上出来かな、と思っていたので、もう驚愕でした。
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当日、本当にFull House、満員御礼。
アメリカ人慣れしている私には、驚くほど静かに真剣にレクチャーを聞いてくれるイギリス人(^^) メモまで取って聞いてくれていました。まずその姿に感動。
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レクチャー後のレセプションで、みなさん、私のところに来てくれて、レクチャーの感想を話してくれました。
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一番心配だった、ちゃんと言ってることがわかったか?をみなさんに聞いてみましたが、みなさん「とてもクリアで全部わかったよ」「とてもわかりやすい英語だったよ」と言ってくれて、本当にホッ。
で、なんと、持って行った二十四節気の本が10冊完売!日本語なのに。買ってくれたのは、すべてイギリス人の方。しかも、みなさんサインを希望され・・さらに感動。
「英語版を出す予定は?」と、何人にも聞かれました。嬉しい。
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さらに!「私、和菓子本も持ってるファンです」と言ってくれた方までいて驚きました‼️日本に行った時に買ってきたそうです。香港系の方もいて、中国の二十四節気との違いが興味深かったから、中国語版も出してほしいと言われました。

このレセプションでは、京都の老舗和菓子屋さんの塩芳軒さんが、参加者のみなさんのために季節の和菓子を用意してくださいました。
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さすがプロ(当たり前ですが・・)。本当に美しい。
塩芳軒さんは二十四節気の和菓子を作ってらっしゃるので、今回のレクチャーの最後には、二十四節気の和菓子の写真をご紹介させていただきました。
このレクチャーでは、季節の話を聴く、見る(画像や実物)、そして味わうを体感していただくことで、日本人が季節を楽しむ感覚を少しでも経験していただきたいと、塩芳軒さんにお願いしました。
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鮎と流水。丁寧に作られた美しい和菓子。
レセプションで配られると、誰もすぐに口に運べない(笑)
中には、食べるのがもったいないと、そ〜っと懐紙に包んで持ち帰った方もいらっしゃいました。
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終わって放心状態で、顔疲れてますがー(笑)

時々「expand your comfort zone」を自分に課すように心がけていますが、今回のはちょっと広げすぎで無理かなぁーと何度も思いましたが、なんでもインターネットで見たり、聞いたりできる時代。それでも直接、ロンドンの方々の表情、反応、お話を聞けて、やっぱり行かなきゃわからないことがある・・そう、つくづく思いました。
今回、このような機会を橋渡ししてくださり、いろいろアドバイスしてくださった稲井田さん、機会をくださったDaiwa Anglo-Japanese Foundation様、和菓子を運んでくれて!撮影してくれた安野さん、いろいろ気にかけてくれたロンドンのクリスティーナ、プレゼン準備を手伝ってくれた娘、しのぶちゃん、アメリカ人の先生方、パリで胃痛の私を励ましてくれた勝沼先生、Maayaさん、多恵子さん、応援してくれた友達!みなさん、ありがとうございました。

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