2015-09-15
きつねさんのこと
今年で「妄想歌舞伎」は6回目を迎えます。
1回目からずっと「チーム妄想」の大きな柱だった「妄想歌舞伎」には欠かせない、きつねさんと
今年はご一緒できなくなってしまいました。
あまりに若く、あまりに突然すぎて、お葬式にもうかがえなかった私は、また今年も会場で会える
ような気がしてなりません。
毎年、妄想歌舞伎の1ヶ月くらい前になると、お互い、「今年は何を作ってるの?」「間に合いそうですか?」
「え?まだってヤバイですよ!」「今年も夜なべです」などと、深夜の遅い時間にやりとりするのが常でした。
直接お会いするのは年に1回だったけど、
『こんなにバカバカしいことに一生懸命になれるって楽しいね~』
『クリエーターにとって無駄と思われることをどれだけ楽しめるかって大切だよね』
そして、『染五郎さんって本当に尊敬できるよね!』って、毎年、二人で話していました。
その言葉通り、きつねさんが毎年作ってくれた映像は、どこまでもおバカだけど、
ものすごい技術と経験ときつねさんのクリエーター魂のこもった作品でした。
年々クオリティーが上がってていき、毎年、染五郎さんが喜んでくれること、お客さんが
喜んでくれることが何より嬉しそうだった、きつねさん。
毎年、イベントが終わる時に子どもみたいな笑顔で「来年は何しましょうね~」と言いながら、お別れしました。
いつも「大丈夫ですか?」と気遣ってくださった方でした。
somelaboのことを大切に思ってくださった方でした。
きつねさんのいない妄想歌舞伎は本当にさみしいです。
でも、とっても、とっても妄想歌舞伎を愛していたきつねさんなので、今年もこうして
開催されること、きっと喜んでくださると思っています。
お葬式には、「妄想歌舞伎」のために作ってくださった映像の絵コンテがたくさん飾られたそうです。
その絵コンテの数々を、今回の「妄想歌舞伎」では展示させていただくことになりました。
今年はきつねさんの新作映像はないけれど、湿っぽくなるよりも、きつねさんがいた時と同じ、
染五郎さんとお客さまと年に一度の「妄想」を楽しみたいと思います。
君野倫子
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